2011年8月31日水曜日

SR需要増加の背景~ISO26000が生まれる前 1

そもそも何故SR(社会的責任)なんていうものが今叫ばれているのか?少し歴史をさかのぼってみましょう。

■西洋のCSR
古いものですと、下記があるようです。

1790年代・・・カルカッタの東インド会社がカリブ海の奴隷労働者を使って、砂糖を輸出していることにイギリスの消費者が抗議行動

東インド会社は砂糖の仕入先を奴隷労働を使わない先に変更

戦後、不況から失業率があがり、労働問題解決のために、 児童労働や不当に安い賃金で労働者を雇うことに対する反対運動からCSRが盛んになってきました。
裏には、そんなに安い賃金で人を雇われたら、欧州人の雇用の場がないということもあるようです。

アメリカでは2000年前半の企業不祥事から、企業の統治、不正防止に対しての意識が強いです。

■東洋のCSR
日本では石田梅岩の「三方よし」が有名ですが、石田梅岩は儒教の人です。そのルーツは中国杭州にあるようで、南宋時代に杭州の儒教者の中に、商売人は社会的弱者に配慮するべきという論があったようです。

その後、日本では、戦後高度経済成長期の公害問題から今のCSRの一旦を担う環境対策が始まりました。日本で環境の意識が強く、その他の分野が遅れがちなのもその辺りに背景があります。

次回は労働組織の成り立ちです。


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2011年8月30日火曜日

ソーシャルファイナンスって何ですか?

ソーシャルファイナンス(社会的金融)と言う言葉、まだまだ日本ではなじみが無いですが、欧州を始めとして、 金融の社会的責任として注目され、既に動き出しています。私はファイナンスの専門ではないですが、CSRの観点から整理します。

大きく分けて、ファイナンス(金融)には直接金融(投資等)と間接金融(融資等)があります。

■直接金融
出資者と資金調達者のお金の流れが直接的なもの。ざっくりと投資と考えてください。(え、証券会社が間に入っているのでは?という疑問もあるでしょうが、あれは手数料をとられているのです) 

SRIにあたるものは、直接金融の範疇に入ります。

■社会的責任投資=SRI
Social Responsibility Investment 最近では、Sustainabilty Responsibility Investmentとも言われます。

経済性だけでなく、社会性、環境性の観点から行う投資のことで、主に3つの行動がSRIとされることが多いです。

1 ソーシャルスクリーニング(投資基準に社会的責任の観点を導入)
投資先選定に社会的な基準で選別を行うことです。
ネガティブスクリーニング・・・社会や環境に良くない事業、企業には投資しない
ポジティブスクリーニング・・・CSRを積極的に果たしている企業に投資する

2 株主行動
株主としての立場・権利を行使して、経営陣に対し、CSRに配慮した経営を求めていくことです。

3 コミュニティ投資
通常の金融機関の融資が届きにくい、マイノリティや低所得者層の居住地域の発展のために行う投融資のことです。

■インパクトインベストメント
従来のSRI型投資に比べて、投資が及ぼす直接的な社会的インパクトを重視する点に特徴がある投資方法。(引用:大和証券グループCSR報告書2011 特集編・P12)

詳細はNPO法人 社会的責任投資フォーラム(SIF-Japan)をご覧下さい。

この分野では、大手証券会社等、大手金融機関以外にもミュージックセキュリティーズという会社が、ソーシャルビジネスに対して匿名組合出資という方式を使ってSRIを行っており、アミタグループの株式会社トビムシもファンドを組成しています。

■間接金融
出資者と資金調達者の間に金融機関が仲介します。出資者と資金調達者のお金の流れが間接的なものです。ざっくりと預金者(貯金)→金融機関→資金調達者(融資)に当たるものと考えてください。
   
ソーシャルバンク 
融資された資金の投資基準に社会的責任を入れている銀行。
欧米では利子を放棄することも選択できる預金もあります。


■マイクロファイナンス(Microfinance) 
貧困者向けの「小口(マイクロ)金融(ファイナンス)の総称で、他の金融と比較して、マイクロファイナン スの特徴として、貧困緩和と事業収益の両方を追求していることが挙げられる。ソーシャルビジネスの一つとして、本業で社会的課題を解決する手法の一つとし ても注目されています。

■NPOバンク
日本の既存金融機関でSRIが進まないという認識から、NPOが貸金業法(ノンバンク 消費者金融活動に対する法律)の特例の範疇として活動する非営利の融資組織。(厳密に 銀行=バンク ではない)NPOバンクごとに解決しようとしている社会課題に特徴があるが、主に、環境ビジネス、コミュニティビジネス、NPOに対する融資、女性に対する融資等、社会的に必要性がある事業にも関らず、通常の金融機関からは融資が受けづらい事業者を対象に融資しています。日本では田中優さんの未来バンクが日本初のNPOバンク。若干形態が特殊ではありますが、音楽プロデューサーの小林武史氏と、Mr.Childrenの櫻井和寿氏に、坂本龍一氏を加えた3名が拠出した資金をもとに、2003年に設立されましたap bankもNPOバンクの範疇にはいります。

全国NPOバンク連協会 が現在、法改正を初め精力的に活動中です。

市場型間接金融
なお、信託投資は直接金融と間接金融の間に位置するもので市場型間接金融と呼ばれています。

この分野では、鎌倉投信という会社が公募信託という手法でソーシャルファイナンスを実施しています。この会社はCSRを高水準で果たしつつ、利益を上げている企業が知られていないだけで中小企業にも数多くあり、それらを投資の観点から支えつつ、啓発支援していく会社です。その他にコモンズ投信などもあります。


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2011年8月29日月曜日

ISO26000は認証規格ではないなら、企業活動に影響は余り与えないのではないでしょうか?


直接的、間接的に様々な影響を及ぼすことが考えられます。
特に次の3つが挙げられます。

1. 社会的責任の共通言語として、企業活動に直接影響を与える
2. ISO26000をベースにした新しい国際ルール、法令、規程の策定による影響
3. バリューチェーン(※1)マネジメントによる影響
※1 バリューチェーン・・・(value chain)製品又はサービスの形式で価値を提供するか又は受け取る、一連の活動又は関係者の全体。
 注記1 価値を提供する関係者には、供給業者、受託労働者、請負業者、その他が含まれる。
 注記2 価値を受け取る関係者には、顧客、消費者、取引先、会員、その他使用者が含まれる。
 (出所):「ISO26000英和対訳版」(日本規格協会)
社会的責任の共通言語として、企業活動に直接影響を与える
ISO26000はマルチステークホルダーの対話を経て合意された規格です。
ISO26000は主に「ISO26000国際委員会」が審議してきました。この国際委員会には、各国から約400人のエキスパートが参加しています。
この国際委員会はステークホルダーのバランスを重視していて、メンバーは政府、産業界のみならず、消費者、労働(関連)、NGO、SSRO(Service,Support,Research,Academics and Othersの略 ≒研究者等)など様々な立場の方々が参加しました。また、ダイバーシティ(多様性)の観点から参加者の男女比や先進国と途上国の比率にも配慮がなされていました。
また、ISOの規格策定は通常3年ですが、ISO26000については、2001年の検討から約10年の時間を費やして、上記のような様々なステークホルダーとの合意が形成されてきました。
多くのステークホルダーとの合意形成を経たガイドラインであるため、企業でもISO26000を無視することはできなくなると言えるでしょう。
ISO26000をベースにした新しい国際ルール等の策定による影響
直接的な影響としては、今後の国際間のコミュニケーションやルール決めの際に、参考概念としてISO26000の考え方が取り入れられるという点が挙げられます。
ISO26000は数多くある社会的責任の規格を集約する目的も持っていたため、様々な規格の最新状況を取り入れており、今後国際ルールを取り決める際の基準になることが予想されます。
ISO26000という規格ができたことで、新たな法律が生まれたり、GRI(グローバル・レポーティング・イニシアチブ)やOECD多国籍企業ガイドライン、企業行動憲章等、企業がすでに活動の規範としているルールがISO26000との整合性をとるために改定されています。
ブラジル、オーストラリア、デンマーク等ではISO26000に基づく「認証規格」策定の検討を始めています。なお、GRIは現在、コミュニティ、人権、ジェンダーという分野を中心に改訂作業中で、2012年末を目標としてGRI第4版へ改訂する動きを進めています。
日本でも、経済産業省が今年度(平成23年度)中のJIS化を決定し、日本規格協会がJIS化のための本委員会を設置して作業を進めています。

バリューチェーンマネジメントによる影響

バリューチェーンマネジメントを通じて、自社の原料調達から商品の供給先、廃棄までのサイクルにも影響を及ぼすことがあります。これにより、自社商品のトレーサビリティについて、各社がマネジメントする必要が出てきます。
「自社は国際交渉も関係ないし、自分の会社の組織内では十分CSRを果たしている」という風に思っていても、バリューチェーンの社会的責任まで配慮していかなければ思わぬリスクを抱えることとなります。
日本企業の中には、購入した石炭のサプライチェーン(※2)の中に、カナダの先住民族に対する人権侵害を行う組織があったと非難されている例もあります。
※2 サプライチェーン・・・(supply chain)組織に対して製品又はサービスを提供する一連の活動又は関係者。(出所):「ISO26000英和対訳版」(日本規格協会)
あなたも感じられる ISO26000が世界的に影響を及ぼしていること
ちなみに、ツイッターのハッシュタグで #ISO26000 と検索すると、様々な言語でツイートされていることがわかります。ぜひ一度試してみてはいかがでしょうか?
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2011年8月27日土曜日

ISO26000はガイダンス規格と聞きました。ガイダンス規格とはどういう意味ですか?


IISO26000はガイダンス規格で手引きであるといわれるのは、ISOの他の2種類の規格(工業規格とマネジメントシステム規格)との違いを表しており、推奨事項の集合体のようなものです。

ガイダンス規格という意味を理解するには、ISO26000が生まれるまでのISO(=国際標準化機構 International Organization for Standardization)の歴史と経緯を知ることが良いでしょう。


(ISO26000の基礎的概要についてはこちらをごらんください。)

■キーワード説明

ISO=1947年に発足した民間の国際標準化組織
国際標準化=製品やサービスの規格や仕様を可能な限り統一しようとすること(※ISOは英語の略称でなく、ギリシア語で均質等を意味するISOS(アイソス)が語源とされている)
日本ではISO14000やISO9000といったマネジメントシステムの認証規格が有名ですが、元々は工業規格でした。ISOの規格は主に3つに分けられます。
1 工業規格 2マネジメントシステム規格 3ガイドライン規格

■ISO規格の3分類
1.工業規格(1947年~)
工業製品の標準化に関する規格です。
第2次世界大戦時に兵器の修理部品が仕様等の違いからうまく使えないところから需要が生まれ、工業製品の規格を統一しておかないと大きなマイナスが生まれるため規格の統一が試みられたと言われています。その後様々な製品で規格が生まれ今では国際的認知を獲得しています。+-のネジや乾電池等、今まで作り出した規格は18,000を超えています。
2.マネジメントシステム規格(1986年 ISO9000シリーズ登場)
組織管理の仕組みについての規格です。組織が目標を作り達成するためのシステムを定めたものです。
ISO9000(品質)やISO14000(環境)に代表されます。これらは、各々の工業製品の規格が統一されていても、各工場間の品質に対するばらつきに対する課題や、工場等が環境に与える影響に一定の規格を作るために生まれています。こちらは認証規格です。
ISOはISO9000やISO14000のように、企業における仕組み(システム)の標準化において、一定の成功をおさめました。そして、今回、組織のあり方の標準化に踏み切ったのです。
それがISO26000です。
3.ガイダンス規格(2010年11月 ISO26000という新たな規格)
組織のあり方に関する規格です。「第三世代の規格」と呼ばれたりもします。ガイダンス規格は、推奨事項の集合体なので、マネジメントシステムと違いすべて定められた規格どおりに実行することは強制されていません。
ISO26000が生まれた背景

第二次世界大戦後、一次は順調な経済発展を見せた先進国も、国際化、組織の巨大化、強大化等の様々な要員から、人権、雇用、環境等様々な問題が大きくなりました。
また、不況による経済的問題もたびたびありました。経済的問題から企業の不祥事が表面化し大きな問題になったのも1990年代以降です。
こういった社会背景を受けて、ISOは下記の流れをとりました。
2001年 CSRを規格化することを検討
2004年 企業だけでなく組織一般の社会的責任を取り扱うことを確認(CSR → SR)
2005年 ISO26000の策定作業開始
2010年 11月 ISO26000「Guidance on social responsibility / 社会的責任に関する手引き」発行
これらが、ISO26000が生まれるまでのISOから見た背景です。
ISO26000はガイダンス規格で手引きであるといわれるのは、他の2つの規格との違いを表していることで、これらの背景を踏まえれば理解が深まります。

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2011年8月20日土曜日

伝わっているつもりを改めて明文化する重要性

日経では被災地での事業構想が語られています。
本日2011年8/20(土)の日経新聞朝刊9面の「人こと」の欄に、アミタホールディングスの熊野会長の記事が掲載されました。

たまたま同僚と一緒にいて、「読んだ?」みたいな話でもりあがったときに、同僚が発した言葉が印象的でした。

「俺、これ読むまで会長がそんなことやろうと考えてるって詳しくは知らなかったわ。」

 もちろん開発案件だからというのもありますが、やはりTOPのメッセージを伝えることは改めて重要と思います。

1 直接対話の機会を設ける       →双方向型
2 きちんと明文化する           →情報の固定化
3 第三者からとりあげてもらう      →客観的影響力

この3つは重要ですね。特に3というのは効果があります。ここで言う場合は、第三者が客観的かどうか、なんていいんです。そういう風に感じて理解する人が一定数いるのですから。

外から改めて言ってもらうことで、やっぱりそうなんだ、うちって意外にすごい!(or だめだった)等々。

震災後、アミタグループがメディアに取り上げられることが増えてきました。今のままではだめ、変わらなければ、そういう感覚が皆様の中に増えてきたからかもしれません。後はきちんと我々が期待にお応えできるかだけですね。

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2011年8月18日木曜日

ISO26000 各企業様のニーズ

8月8日はグローバルコンパクト、ISO26000分科会に参加してきました。

当日は、最初の分科会だったので、具体的な議論はしませんでしたし、分科会の内容は勝手にOPENにできませんが、各企業様のニーズはだいたい3つに分かれるなと思いました。

1 ISO26000そのものの情報収集
ISO26000がそもそもよくわからないし、まだはっきり目を通せていないので、共に学んでいきたい

2 ISO26000事例から実務への応用
ISO26000は読んだが、実務にどう落とすのか、具体的にどんな影響がでるのか実例を知りたい
その中でも、国内でもいい方と、とりわけ海外事例が知りたいという需要があります

3 ISO26000を使って、実際行動を起こしていきたい
特にISO26000で新しく追加された(といっても過言でない)「人権」と「コミュニティへの参画及びコミュニティの発展」について、先進企業への現場視察やNPO/NGOとのダイアローグへの需要があります

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2011年8月17日水曜日

FSCはCSRにどうつながるのか?

8月8日はグローバルコンパクトのISO26000分科会に出た後に、アミタホールディングス株式会社で行われたワークショップに参加していました。ありがたいことに、会社のwebにも掲載してくれています。

弊社蝦名がグローバル・コンパクト・ジャパン・ネットワーク会員向けに開催したワークショップでファシリテーターを担当

 

当日は、私もお仕事で大変お世話になっている企業様をゲストに迎えて、「豊かな森と人をつなぐ取り組みを考える」というテーマでワークショップでした。

ダイアローグは、大きく2つのテーマに分かれました。

1企業活動と森の関係
2FSCはCSRにどうつながるのか?


1 企業活動と森の関係について

企業の業態によって、どう関るか位置づけやストーリー作りが変わります。
「化学メーカーだが、生物多様性とどう関れば良いか?」
「人工林に手を加えてることは生物多様性になるのか?」
など具体的な質問も出ました。
 →この辺りはアミタさんに教えてもらうことにしましょう。


例えば、
■製紙メーカーさん
木はまさに本業の原料なので、良い原料調達の一つとして、

良い森を育てること→良い木を育てること→良い紙を作ること、作り続けること

です。(残念ながら、大手日本の製紙メーカーさんはほとんど今外国産材が原料なんで、このストーリーは厳密には違うのですが・・・)

■飲料メーカーさん
水はまさに本業の原料なので、良い原料調達の一つとして、


良い森を育てること→良い水を生み出すこと→良い製品を作ること


と本業とスムーズにストーリーが作れます。
もちろん製造メーカーさんで水を使わないところはほとんどないですが、
水そのものが商品になっている飲料メーカーさんはストーリーが作りやすい。

CSRという文脈でとらえられることは少ないですが、
最近は漁師さんが森を守る(特に広葉樹中心の雑木林)活動が注目されていますね。


良い森を育てること→良い水を生み出すこと→おいしく安全な魚を育てること

と本業との結びつきからきています。

例:北川漁業協同組合


ちなみにここの「ちょんがけ」という漁法で鮎を釣るの、とっても楽しいですよ。
次は仕事でないときに行きたいです。


でも、ユーザーとしてどこの企業様も紙は使います。
また、企業が関係している地域に山があれば、あるいは使っている水の源流までたどれば、山に行き着きます。ということで関係の大小あれどステークホルダーにはなりえます。
どれだけの利害関係を持つかは企業活動次第ですが。

そこで、2です。


2 FSCはCSRにどうつながるのか?

どんな企業でも、FSCの製品を使うことは、CSR調達になります。
ISO26000で川上、川下全てにおいて、企業はCSRを果たすことが明示されました。

でもFSC認証されていれば、少なくともその商品については、CSRを果たした購買といえます。
詳細はこちら→http://www.aiec-net.co.jp/fsc/meritt.html

このFSCという考え方、元々トリプルボトムラインを受け継いでいます。

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FSC COC認証無料セミナー 開催予定

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トレーサビリティ監査 や フォレストック認定モニタリングサービス などは特にこれからのCSRに役立つサービスになるでしょう。 

■お問い合わせはこちら


■メールマガジンもやっています。「森林認証ニュース」 「MSC通信」)

2011年8月16日火曜日

CSR と トップコミットメントの関係 と アミタのトップのメッセージが聞けるラジオ


最近運営しているCSR JAPANオフィシャルブログに、CSR報告書をどう読んだらいいか?という記事がアップされました。

CSR・環境報告書、読んだことありますか?
―CSR/SRIの専門家からのメッセージ

ここで、記事を書いていただいた大和総研の河口様に共感するのは、(たくさんありますが)興味関心、自分と関るところから目的を持って読めば良いというところです。
CSR報告書ってなかなかいいこと書いてあるし、企業が社会性、環境性に関して、説明責任と情報開示責任を果たすために、報告していますので、他の媒体より正直に公開しているケースが多いです。

ちなみにCSR報告書では、TOPコミットメントということで、経営者メッセージを掲載することがガイドラインでは推奨されています。今まで見た報告書でTOPメッセージの無い報告書はありません。

それを読んでいると、仮に読み手にCSRの知識がなかったとしても、
経営者がCSRに対して、どう考えているかわかります。

CSR JAPANで各社の経営トップメッセージを見る

ということで、アミタのトップメッセージが生で聞けてしまう、
ラジオ放送のお知らせです(笑)

アミタホールディングス会長の熊野が出演する
WorldShift Radioの放送予定です。

TOKYO FM
8月19日(金)、26日(金)、9月2日(金) 21:30~21:55

FM FUKUOKA

8月19日(金)、26日(金)、9月2日(金) 21:00~21:30

AIR-G(北海道) および Rajio80(岐阜)

8月21日(日)、28日(日)、9月4日(日) 21:00~21:30


です!

パーソナリティは元三洋電機代表取締役会長の野中ともよ氏。
会長の熊野が持続可能社会の実現を目指すアミタを立ち上げた背景、
事業拡大の転換期のエピソード、現在の事業概要、事業に向けた姿勢、
震災復興に関するビジョン、人生を変えた大切な曲などを3週連続で放送します。

各放送日の翌週の月曜日午後以降、
番組HPからダウンロードしてお聴きいただけます。
http://www.tfm.co.jp/podcasts/worldshift/
また、同じく月曜日午後からPodcastにも配信されます。

お時間ある方はぜひ!

2011年8月10日水曜日

アミタ社員有志活動あみたたけ~アミタ流ステークホルダーコミュニケーション?~

当日は流しそうめんをやりました
8月6日はあみたたけに行ってきました。
(西武線の下山口駅徒歩15~20分というところです)

■あみたたけとは?
2006年の社内企画コンペで通った「あみたんぼ」という活動が元になっており、例年はたんぼを借りて育てていました。今年は畑になったので「あみたたけ」と呼んでいます。

そもそもは、アミタが事業として地域再生や農林水産のコンサルティングをしているのに、本社事務系の社員はまったく田んぼと無関係の生活。持続可能社会を目指している社員が生きる源となっている食糧について、作る喜びや苦労を知らないのはどうなんだろうか?

というところから、始まりました。

■目的は3つ
1 生産現場の苦労や感覚を少しでも身につける
2 社員の結束をはかる
3 外部のステークホルダーとのコミュニケーションをはかる

3はもちろんそんな事意識していませんが、結果そうなっているということです。
現在は、会社からの支援は無く、社員が自発的にやっています。

できたお米を「結わえる」という会社にお願いして、 
あみたんぼ米の宅配ランチとして販売するなど、少しずつ活動が進化しています。
「結わえる」社長荻野さんも2008年のあみたんぼに来てくださいました。
もともとアミタグループの社員の前職の同僚さんで起業なさりました)

私自身2007年、2008年と参加していましたが、
出張や休日勤務が増えしばらくご無沙汰していました。

久しぶりに参加したら、昔仕事上で出会い、
今もグループ会社とお仕事を共にしてくださっている方や、
昔インターンとしてアミタを手伝ってくれた方が参加してくれていました。

こういう有志活動が社内で継続的に動いていることは、
非常にありがたいことで、これが縁で自分で畑をやりだした社員もいるとか。
経済性のステークホルダーとの関係継続がCR(カスタマーリレーション)なら、
これは広い意味でステークホルダーリレーションとして機能していると思います。

こういうところで、ステークホルダーが参加してくれて、
社員一人ひとりと人間としての絆を築くということは非常に好ましいことだと思います。

日ごろ拠点や部署が違うメンバーとの、業務上の意見交換等も出て、
社内のコミュニケーション促進にも役立っていると思います。

今回はあえてCSRの文脈に寄せて書きましたが、
要は楽しい活動やってますよということです。


ツイッターもやっているようですので、フォローしてあげてください。
@amitanbo


当日の様子は本家あみたんぼブログをご覧下さい。

参加してみたいという方はこちらまでご連絡ください。
※hotmail,gmail等フリーメールの方はブロックしてしまいますので、
 お手数ですが、携帯からご連絡ください。
(所属、氏名、連絡先(携帯電話番号)を明記ください )