2011年3月31日木曜日

CSR報告書を読むが頭に入らないときは?

昨日の続きですが、偶然にもCSR報告書を大量に読んでいる私。結果的に分析したり、類型化しているのですが、最初から分析するんだ!類型化しないとって思って、気がめいる人がいるかもしれません。

「ISO26000の対訳集、読んでたら眠くなります」という声も聞いたことあります(笑)

人によりますが、ISO26000やGRIのガイドラインから入って内容が頭に入らないと言う声も聞きますので、下記のようにしてみてはいかがでしょうか?

1 興味がある会社のCSR報告書かCSRサイトを見てみる

2 自分の会社と類似のCSR報告書を探して読んでみる

3 もし可能なら、読んだ後作った人に質問してみる

→そしてもう一度読んでみる これを3回くらいやる

作り手は読み手が思っている以上に、背後でいろいろ考えて報告書を作っています。それを聞いて読むとより一層深く、楽しんで読めるようになります。



本当に全くCSRを知らない人なら、「マンガでわかるCSR入門」という本もあります。イメージをつかむにはいいと思います。

2011年3月30日水曜日

CSR報告書 読み比べ 勉強会

3月28日は、アミタのセミナールームで、「公益社団法人フィランソロピー協会」様による、会員企業CSRご担当者様を対象とした勉強会「Stone Soup Club」が開催されました。

CSR JAPANの運営に関ってから、それこそ毎日ほどレポートに目を通します。上司は良く冗談で「CSRレポートマニア」と言うのですが、不思議と読んでいると傾向や読み方はわかってきます。

報告書の構成、参考にしているガイドライン、経営TOPメッセージの類型化、ステークホルダーの優先順位が明確かどうか、特集記事の傾向 等々。 それをまとめる良い機会になりました。

CSR JAPANの読み比べ機能を使って、お話させていただきました。
実際、お話をうかがってその確証も深まりましたし、私が知っている素敵なお話も、ご本人から共有していただけたり。勉強会はクローズドなので、中身は書けませんが、必死に悩んで、行動している方々がいらっしゃるので、なんとか日本にCSRを定着させたいと思いますね。

今回は2時間コースで用意していましたが、東日本大震災の直後ということもあり、私は1時間ファシリテートと発表をして、残りの1時間は各社のCSR担当者様と震災復興についての対応を話し合いました。

ということでより経営や、実務に関るところは、グレードアップさせて、6月のセミナーでお話しようと思います。

勉強会の様子は、会社のWebサイトにも掲載されています。

2011年3月24日木曜日

CSR報告書ってだいたい何ページ?

CSR報告書には、いくつかの作成の手引きがありますが、もちろんどれを参考にするのか、何のために作るのか、それらには自由度があり、内容も様々です。
 
私のチームが運営する「CSR JAPAN」というサイトには、
2011年3月22日(火)現在、59社が掲載してくださっています。
その59社様で調べてみました。


■2010年度レポート
平均 55.6ページ
最長 332ページ →大和ハウス工業様 CSRレポート2010詳細版
最短 7ページ   →ソフトバンク様    CSR便り

CSRレポートといっても、詳細版とダイジェスト(凝縮)版があり、
CSR JAPANにどれを載せるかは、企業様にお任せしております。

一概にこの56.2ページという数字が本当の平均とは言えませんが、
私が読んでいても大よそ、30~70ページの企業様が多いので、
納得がいきました。

尚、ダイジェスト版を作成される企業様は、
だいたい詳細版の半分のページ数でダイジェスト版を作っています。

詳細版のページ構成やダイジェスト版との比較も、
また機会を見て調べていきます。

ちなみに日本では推定1500社が
CSRレポートを出していると言われています。
まだまだ掲載していただける企業様がありますね。

2011年3月23日水曜日

5W2H~支援とCSRの類似点~

昨日は28日の公益社団法人日本フィランソロピー協会 Stone Soup Clubの企画を
ご担当者様と打ち合わせておりました。

「CSR報告書の読み比べは、案外担当者の方もしないもので、
非常におもしろい内容がたくさんで期待しています」と言っていただけました。

・数字から見るレポートの特徴
・TOPの写真やTOPメッセージのページの位置から見える製作者の意図
・社員をどんどん出していく か そうでないか
・ステークホルダー(利害関係者)の優先順位の有無

いろいろ個別具体の例をご提示した後に、

「結局はCSRって、何のために、そして誰のために、どうやって行うのか、
それがまだ企業様によってははっきりしないのかもしれませんね。」

とおっしゃっていました。

担当者の方は整理できていても、企業の全ての社員となると、
確かになかなか統一されていないのかもしれません。

そしてその後終業後、社内任意の震災支援チームの第1回打ち合わせでした。
そこでも5W2Hはやはり重要でした。

「震災に合われた方、地域を支援する。」

そこは皆一致していますが、
5W2Hについては、まだまだ精査が必要でした。

「なんのために(なぜ)」があって、
「誰に」「どうやって」「いつ」「どこで」「いくら」ということが、決まっていく。

そんな当たり前のことを、再度思い返した1日でした。
こちらも同時並行で進めてまいります。

2011年3月22日火曜日

CSR Magazineに記事が掲載されました

ご報告が遅くなりましたが、2011年3月16日に、私の書いた原稿がCSR Magazineに掲載されました。

■CSR magazine とは?
国内および海外の企業・NGOおよび行政、さらには個人の方々まで幅広い方々へのインタビューを中心に、 「CSR(企業の社会的的責任)とは何か」をテーマに、情報発信しているWEBサイトです。

■どんな記事を書いたか?

ISO26000の特色や、ISO26000が企業のCSRや、
ソーシャルビジネスに与える影響について、
「社会的責任」がもたらすチャンス・リスクの側面から述べています。

■なぜこんな記事を書いたの?
ISO26000に関する記事を書けませんか?という依頼を頂きました。
その時、ISO26000を詳細に解説する記事はいろいろな方が書かれていますので、
規格詳細を解説する記事は辞めようと思いました。

注目しているのは、大企業のCSR担当者様が多かったのですが、
一方、中小企業やベンチャー企業の方はなんの影響があるのか?
そもそもISO26000なんて知らないという感じでした。

そこで、国内で活動している中小企業の方や、
ソーシャルビジネス業界の方にどういう影響があるかを書こうということで、
このような記事になっています。

■お問い合わせ 感想
・読んだだけでは分からない
・もっとこういう情報が欲しい
・こういう風に感じました

そんな方がいらっしゃいましたらこちらまでご連絡ください。
またいつかそれについて書くかもしれません。

2011年3月12日土曜日

東北地方太平洋沖地震とCSR

東北地方太平洋沖地震がおきました。
東京も震度5ということで、奈良出身の私としては、
阪神大震災以来の大きな地震の体験となりました。

こういうときこそ、企業はCSRを果たすときです。
個人の寄付やボランティア活動の準備について、
多くの情報が寄せられ日本の国民性の素晴らしさを感じます。

しかし、個人はもちろんですが、
企業人として、企業としても果たす使命が多々あります。

インフラ関連企業が最もわかりやすいCSR活動を本業として行っています。


■交通
災害状況を確認し、東京では深夜も鉄道各社が運転し、
東京の帰宅難民を安全に帰宅させました。
被災地近辺では昼夜を問わない復旧工事がなされているでしょう。

■電力会社
原発の安全確保、電力供給の再会等で頑張っておられます。
特に福島第一原発は近隣住民に避難勧告が出される状況。
その最中に、もっと危険なところで作業している従業員の方々が
いらっしゃることは、忘れてはなりません。

■通信
電話だと、災害連絡はもちろん、災害伝言ダイヤル等、最大限活用しています。
ネットだと、災害伝言掲示板や、災害に関する情報や対策をまとめたページ掲載などがそうです。
ソーシャルメディアと呼ばれるFace book Twitter Blog等でも、
災害に関する情報が発信されています。

■金融機関
土日も出勤して、被災者の方の当座の資金引き出しの対応をしています。
今後、企業や個人が再建する際に無利子、あるいは低利長期のローンを組んであげられるか、
それも立派なCSRだと思います。

■自衛隊、消防隊、警察、自治体の方々
緊急対応で危険を顧みず働いておられます。

■マスコミ
できる限り現地の情報と、
必要な支援がいきわたるように情報発信をし、
募金の広告を掲載しています。

■物流
現地への配達手段はもちろんのこと、日本各地の物流が寸断されることで、
他の地域の物資が不足しないためにも活動されているはずです。

■食品
現地への食糧の供給はもちろん、
結果として、研究活動開示が社会のためになっている企業もあります。

広島での原爆後遺症の調査を踏まえて、
1986年のチェルノブイリ原発事故の時に、ヨーロッパへのみそ輸出が急増。
タケヤ味噌のHPに広島大学の伊藤明弘教授のマウスを使った実験結果がアップ 。
http://www.takeya-miso.co.jp/column/008.html


■建築
長期的に見ると、住宅やビルの建設で役割を果たします。
その際、できる限り低予算で、かつ環境に優しい都市づくりに貢献してほしいです。

■私の会社
被災により受け入れられなくなった廃棄物を緊急で受入ることや、
製造所での事故が起きないように安全な対応を行うことです。

■すべての組織にいえること
どのような業態の組織でも言えることは、
従業員の安全を確保し、少しでも早く通常業務を再開することだと思います。
(あくまで安全が第一です)

アミタグループ社員有志が参加した被災地ボランティアの報告会/ご意見交換会を開催 

【日時】 5月27日(金) 17:00~18:30 (16:30開場) 

2011年3月11日金曜日

CSRとは?企業の社会的責任ってどういうこと?

このブログのタイトルにもなっている、「CSR」について、簡単にご紹介します。

CSR(Corporate Social Responsibility)=企業の社会的責任 と訳されます。本当にそうなのか?その言葉で我々がきちんとイメージできているか、辞書を使って調べてみましょう。

英和辞典にはそれぞれ3つの単語について、
下記のように書かれています。

Corporate (形容詞)
1 法人(組織)の.
2 団体の; 集合的な,共同の.
3 [しばしば名詞の後に置いて] 統合された.

「法人の」というところから、
「企業の」という訳になったのでしょうね。

Social (形容詞)
1 a 社会の,社会に関する,社会的な.
b 社会的地位に関する.
2 a 〈会など〉社交的な,懇親の.
b 社交界の,上流社会の.
3 交際上手な,打ち解けた
4社会生活を営む.
5 (比較なし)社会主義の.

これは、違和感なく「社会的な」「社会に関する」という意味で
腑に落ちますね。

Responsibility (名詞)
1 責任,責務,義理 〔for,of,to〕

2 (具体的な)責任,負担,重荷.
3 信頼性; 確実度.
 
この「責任」という意味ですが、類語の説明がありました。


【類語】
responsibility ・・・自分が引き受けたり与えられたりした仕事や義務を遂行する責任
duty ・・・良心・正義感・道徳心から当然しなくてはならない義務
obligation ・・・特定の立場・約束・契約・法律などのような事情から生じる義務

同じ責任と言っても、英語だと3つもありますね。
そして、その意味合いが違います。
ここはかなり重要な意味を持っていると思います。

ルールから生じる義務ではなく、
道徳を果たす義務でもなく、
使命(与えられた重大な任務。天職。)を果たす責任なんですね。

つまり、CSRとは、意訳すると、

企業(法人)が社会的に与えられた
重大な任務を果たす責任

ということになります。

かなりすっきりしましたね。
私が特に納得し、共感したことは、
「responsibility」という言葉が、●●の義務でなくて、
●●の義務を遂行する責任となっていることです。

あくまで遂行することが重要なのです。
画に書いた餅はCSRでないということです。

日本に「CSR]と言う言葉が入った時に、
どうも「責任」という訳が「obligation」と間違って理解されたようです。
訳の本意としては、「義務」でなく「責任」と訳すことで
「responsibility」を表したのでしょう。

でも、意訳覚悟で「企業の社会的使命」と言ったほうが、
うまく伝わるのかもしれませんね。
※最近では、「企業の社会的信頼」と言う方もいらっしゃいます。


よって、このブログや私がCSRという時は、
「企業の社会的使命(を果たす責任)」と言っていると思ってください。

続きはこちら

アミタグループでは、ISO26000の概要や、今後の注目ポイントについて学べる、CSRに関するセミナーの開催や、無料メルマガを配信しています。ぜひご参考ください。
 ■ISO26000、CSRコミュニケーション・マーケティング関連セミナー
 http://www.amita-oshiete.jp/seminar/category/theme/kankyo-csr.php
 ■CSR担当者の実務に役立つ「CSR JAPANニュース」
 無料メールマガジン「CSR JAPANニュース」
 https://www.amita-oshiete.jp/form/register.php

2011年3月10日木曜日

私とブログの紹介

■ブログについて

CSR「企業の社会的使命」に関する仕事をしていると、
横文字が多くて大変です(笑)


抽象的で概念的な話が多くて何やら難しく感じています。
でも、そもそもはシンプルで、皆さんの身近にあるものです。

CSRというと難しい感じがしますが、誤解を恐れずに言えば、正しい方法で持続可能な事業活動を行い、社会と人に貢献し、結果その事業に関る人が幸せになるということ、そう思ってもらえばいいです。

正確性、厳密性よりも、わかりやすさを優先して
だいたいこんな感じなんですよというスタンスで、書き連ねていきたいと思います。

こんなこと書いて欲しい、記事やCSRに関して、
これってどういうこと?というのがありましたら、
下記アドレスにお送り下さい。
機会あればそれについても記事を書ければと思います。


■経歴
1980年 生まれ  奈良県出身 中学まで野球一筋 高校はRock BandのDrummer
2000年~2005年 大学時代を神戸で過ごす。
学部時代は政治経済学 修士は理論経済学で経済学修士
                       Jazz Drummer 河瀬勝彦先生にJazz Drumを学ぶ
2006年 アミタ株式会社 入社

2012年〜 アミタホールディングス株式会社にて勤務
2006年から約6年間いた東京から京都へ転勤。 6年ぶりの関西復帰。

より詳細はこちらのページで


■今までやってきた仕事
人事部門でアミタへのエントリー者数を昨年対比3倍にする等成果を上げる。
その後、コンサルティング部門で企業の環境教育活動のプロデュース、
自治体、省庁との地域活性化支援事業の運営等に携わる。

ソーシャルビジネス、ソーシャルファイナンスに関する新規事業部門を経て、
現在はCSRレポートの横断検索サイト「CSR JAPAN」の運営と
CSRコミュニケーションの分析、コンサルティング業務に従事。
2012年からアミタグループ全体のCSR、マーケティング、PR、IR を担当する部門で、
引き続き「CSR JAPAN」の運営とCSRコミュニケーションの分析、コンサルティング業務に従事。


■環境ビジネスに興味がある方へ
「教えてアミタさん」 環境ビジネス、環境事業、CSR、廃棄物管理に関する情報が満載!

登録無料のメルマガもございます。

■地域活性化や一次産業支援に関心のある方へ
農林水産商工の持続可能経済を作る「ドゥタンク」アミタ持続可能経済研究所
メルマガ 持続研通信(登録無料)

■お問い合わせ先
このブログに関することや、ご相談、ご依頼は下記までお願いいたします。

アミタグループ 蝦名裕一郎 メールはこちらへ

ツイッターアカウント @yebina

2011年3月3日木曜日

関った出版物

アミタ持続可能経済研究所 ¥ 1,260
(企画、編集主担当と執筆の一部を担当)

都会と地方ではコミュニティ(地域社会)が少し違う形で形成されています。地域(特に田舎)でビジネスをする際、都会でのビジネスとはどう違うのか、地域 は 何を望んでいるのか?あなたは何をできるのか?そんな疑問をお持ちの方はぜひ読んでみてください。入門書なので、今から始める方向けです。個人はもちろ ん、企業の社会貢献実行担当の方にもお薦めです。


■目次

1 知っておきたい地方と都会の現実
2 今持っているスキルが地方で活かせる
3 「地方×都会」で生まれる新たなビジネス
4 地域ビジネス実現への5つのポイント
5 押えておきたい地域と人をつなぐ組織の存在

CSR JAPAN ~CSRレポート読み比べサイト

CSR JAPANアミタ株式会社では、CSRレポートの読み比べポータルサイトを2010年11月に開設しました。

これにより、視聴者の方はテーマごとにCSRレポートを横断的に読み比べることができるようになりました。

ぜひご覧下さい。






 

2011年3月1日火曜日

CSRセミナー情報

■2012年 CSRセミナー開催!
※下記は続きもののセミナーでなく1回完結のセミナーです

随時更新予定です。
【東京】 入門編 4/19(終了) 基礎編 6/19 マーケティング編 8/24  12/19
【大阪】 入門編 4/15(終了) 11/6 基礎編 6/15 11/7 マーケティング編 9/6 

=======================================================
■『東京都新しい公共支援事業』の関連で
「とことんNPOサポートプロジェクト」のセミナー講師として登壇いたします。【終了しました】
2/22~3/8のうち3講座 6日間

研修日程   http://npo-sc.org/npotpn/schedule/
申込者資格  http://npo-sc.org/npotpn/conditions/

アミタグループと『東京都新しい公共支援事業』とのつながり
http://www.amita-net.co.jp/info/release-20120127-002184.html
=======================================================

■セミナー情報は随時無料のメールマガジンでお伝えしてまいります。

お申込みはこちらから!